『世界中のどこでも通じるマナー術』 

『世界中のどこでも通じるマナー術』 

◎「関心」と「敬意」が基本!

「相手の感情を勝手に決めつけずに関心があることを示そう」

●『ビジネスマナーには100%の正解はない』

 “信頼を得るマナー”の根本とは?

 日本、欧米、アジア、それぞれに違った文化的背景があり、

何をもって“礼儀”とするかも違います。

 しかし、共通して言えることは、相手への関心を示すことの大切さです。

相手の話をよく聞き、「何か聞きたいことは?」と言われたら素直に心の内を明かす。

そうしたことが、相手への関心と敬意を伝えることにつながります。

 自分がどう見られるかを気にしてオドオドしたり、少しでもアピールしようと

自分のことばかり話したりしますと、かえって印象を悪くします。

 相手への関心を示すのは、表面上のテクニックではありません。

本当に相手を知りたいと思うからこそ、自然とできることです。そのための心構えとは

・・・「最も大事なポイントは、決めつけないことです。〜だから、といったラベルを貼って、

先入観を持って対応しますと、相手を知るうえで妨げとなります。

  この視点は、すべてのコミュニケーションに不可欠です。勝手な判断や先入観を持たずに

相手と向き合うことが、相手を尊重する態度の基盤と言えます。

 この基本の上に、対話が始まります。対話では、どのような配慮が必要なのでしょうか?

・・・相手に理解してもらえる話し方をすることが非常に重要です。

人は、自分の聞きたいことを聞く生き物です。誰でも、自分が重要だと思う部分だけを強く記憶したり、

賛成しやすい部分だけを受け入れたりする傾向があります。それによって生じる認識のズレを防ぐには、

繰り返し伝えることと、言葉の定義を明確にすることが必要です。

これも、相手の話の受け取り方に配慮する、広い意味でのマナーと言えます。

 話すときに、相手によって態度を変えないことも重要です。目上の人には丁寧に接するのに、

目下の人には横柄な物言いをする、といった振る舞いは、信頼を損なう元です。

ポジションにかかわらず、どんな相手でも尊重する態度を持ちたいものです。

●『日本的マナーは海外でも通用する』

 誰に対しても同じ態度を取るとはいっても、違う文化の持ち主と接する場合は、

自然と振る舞いが変わることもあります。

日本では“マナー”というと丁寧さが重視されますが、英語圏では目上の人にも名前で呼びかけ、

カジュアルな接し方をします。

 悪く言えば“画一性”が前面に出やすいのも日本的マナーの特徴です。

就括中の学生が同じ色のリクルートスーツに身を包んでいる姿はその典型で、

社会人にもその傾向があります。みんなが似た格好をしています。

それが、外国人には異様に映ることもあるようですが、日本人が国際的な場で働く際は、

海外の流儀に合わせつつ、内側に日本人としての“芯”を堅持することが大切です。

 たとえば、強い主張が飛び交う場で自分の意見を表明するにはどうするか。

周囲の外国人と同じように大声を出す必要はありません。意見が出尽くしたときに手を挙げて

議論を整理して、自分の考えを述べる、という方法が得策です。 

TPOに合わせることと、自分らしくあることとの両立は、日本人同士が働く場においても不可欠です。

 大切なのは、自ら選び取ることです。どう振る舞うにせよ、「これで行こうと自分が判断したのだ」

という自覚を持ち、そのつど自ら選択し、結果に責任を持つです。この姿勢を常に保つことが、

周囲の信頼へとつながるのではないでしょうか。