『素直さ』
◎「素直である」ことが大事。
人は一人ひとり違っています。誰もが同じ考え方をすることはありませんし、
何もかもその通りだと受け止める必要は当然ありません。
素直と言いますと逆らわず言う通りにするとか、何を言われても怒ったりしないことを
中心に思われる傾向がありますが、それは決して素直なことではないと思います。
相手のおっしゃったことや行ないに対して「私はこう思う」ということを、感情的にならないで、
しかもはっきりと言えるということが大事ではないでしょうか。感情的にならないで、
自然に反応して客観的に話しあうことが大事です。心のあり方と致しまして、
「素直になる」というよりも、「素直である」ことが大切ではないでしょうか。
何か型にはまったような素直さを求めるのではなく、自分自身に対する誠実さ、
そして素直さというものを大事にすべきではないでしょうか。
人間は、生まれつきは素直でも素直でないのでもなく、育って行く中で自分自身が
どう生きようかと考えて生き方を選んでいく過程で、素直さが育まれて行くのではないでしょうか。
保育園で今、泣かない子、笑わない子が増えています。いくら泣いても親が来てくれないと、
しまいに子どもは泣かなくなってしまいます。そして笑顔も失います。親に対して、
大人に対しての不信感が満ちて来て、結局何もかもひがんで受けとめたり、
ひどい場合は被害妄想に陥ったりします。そして何に対しても、
「自分にはできるはずがない」・「どうせ私は」というような気持ちに至り、
なかなか素直になれない・・・があり得ます。
人の成長過程の中で「愛されていたかどうか」が鍵と思います。周囲の皆様に
「あなたはあなたのままでいいのよ」と愛されたかどうか。
そのような経験を経ておりますとたとえ叱られましても、「いじめられているんじゃない。
私のことを思って、言ってくれているんだなあ」と感じることができるのです。
私たちは、「素直な人はこうあるべきだ」と型にはまった言葉を聞かされるよりも、
いつもそこに愛情があり信頼感があって、「あなたはあなたのままでいいのよ」ということが
伝わることによりまして、素直になって行くのだと思います。
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