『98パーセントの信頼』
◎相手を許すために、2パーセントはとっておく。
何もかも100パーセント信じてしまったら万が一、誤ってしまった時、
相手が許せなくなってしまいます。信じるということは大切なこと、美しいことですが、
悲しいことに人間の世界に“完全な”信頼はあり得ません。信じることを教えるのも教育なら、
人を疑うことの必要性、単純に物事を信じてしまってはいけないことを教えるのも
教育の一つの役割ではないでしょうか。それは、どなたでも弱さを持ち、
間違うことがありえるという事実に向き合い、許しの大切さを教えることでもあります。
赤ちゃんが一番最初に習わないといけない発達課題は「信頼」であると言われています。
空腹で泣けばミルクが与えられ、おむつが汚れれば取り替えてもらえ、
落ちないようにしっかりと抱かれることによって愛されていることを知り、
周りの世界への好意と信頼感を身につけて行きます。この時期に十分な信頼感を得られないで
発育した子どもは、不信感の強い大人になると考えられています。
折あるごとに子どもたちをしっかり抱きしめて基本的信頼を持たせることによりまして、
その後、厳しい現実の中、人間本来の弱さに直面した時に絶望することなく生きることにつながります。
98パーセントの信頼と、2パーセントの許しの余地を持って私たちは、
たくましく優しく生きて行きたいものです。
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