『不快を快へ変える』

『不快を快へ変える』

◎逆境時、不快を快へ変える・・・不運をチャンスへ変える!

扁桃核とは、脳の中央部に位置する器官で、私たちが何かを見たり聞いたり、

感じたりした時に、それが好きか嫌いか、快か不快かを瞬時に判断する役割をもっています。

そして、人間は、ほとんどこの扁桃核の判断で行動しています。

たとえば、私たちがある絵画を見て心地よいと感じたとします。

なぜそう思ったのかと聞かれると、いろんな理由を答えます。

「淡い色合いが好きだ」・「モチーフが好きだ」といった具合に。

ところが、そうした理由は全て誠ではありません。

これには、扁桃核の隣に位置する海馬との関係があります。

海馬は記憶を司る器官で、ここには過去の体験などのデータが収められています。

この海馬と扁桃核は、相互に影響し合っていて、扁桃核は好き嫌いや快不快の感情を海馬に伝え、

海馬がそれを記憶します。海馬には、かつて見て心地よいと感じた絵のデータも蓄積されています。

そして、私たちがある絵画を見た時に、海馬はかつて見た同じような絵の記憶をたぐりよせ、

それが心地よかったことを、扁桃核に伝えます。

それによって、快不快を扁桃核が一瞬で判断するのです。

つまり、快か不快かは、見た瞬間に決まっているのです。

ですので、その絵画がなぜ心地よいかという理由をいくら述べたところで、

それらは実は全て、後付されたものにすぎないのです。

同じことは、つき合う人を選ぶときにも起きます。

つまり、私たちの脳には、自分にとって快な人のタイプと不快な人のタイプが記憶されていて、

初対面の人に会ったときでも、瞬時に好き嫌いを判断してしまうのです。

ところが、嫌いな人とのつき合いはなるべく避けたいと思っておりましても、

仕事で会う人ともなりますと、そうは行かないものです。

仮に、そこに、やることなすこと大嫌いな人がいたとしたらどうしますか。

それでも、どうにかして不快を快に変えるしかないでしょう。

これは人との出会いに限らず、事柄に関しても同じです。

多くの人は、過去に失敗したケースと同じような場面に遭遇したときには、

瞬時に不快の感情がよみがえり、思わず避けようとするか、

苦手意識を感じながらもほどほどに対処することになります。

ところが、こうした時でも、不快を快に変えるしかないのです。

果たしてそれが自然にできますかどうか・・・。

積み重ねしかないのです。

日々、不快を快に変える思考を続けて行きますと、素晴らしい人とのつながりや出会い、

あるいはビジネスのチャンスが、偶然を超えて、あちらこちらで降ってくるようになります。

逆境での出会いを大切にすることで、そこでの体験を財産にするのです。