『やる気にさせる2つの方法』
◎腰を上げて頂く2つの方法!
宿題をやらない子どもは、何度叱っても、なかなか腰を上げてくれません。
また、休日に寝てばかりのかたに、何度グチを聞かせてみても、快く手伝ってはくれないでしょう。
こんな腰の重いかたがたに、どうしたらやる気を出してもらえるでしょうか?
人の気持ちをぐっと引きつけるテクニックに、『2つのドア技法』があります。
一つは『フット・イン・ザ・ドア法』、そしてもう一つが『ドア・イン・ザ・フェイス法』です。
1.『フット・イン・ザ・ドア法』は、相手を説得するために、
まずドアに一歩足を踏み入れてしまうという技法です。
これは、訪問販売員がよく利用するテクニック。販売員は、「奥さん、話だけでも聞いて」と言いながら、
まず玄関に入れてもらうことをお願いします。この小さなリクエストさえ受け入れてもらえれば、しめたもの。
相手の懐に入り込めば、本命の交渉が成立しやすくなるという心理効果を、販売員はよく知っているのです。
このように、まずは小さなリクエストを提示し、それが成立したら、本命の交渉を始めるテクニックを
『フット・イン・ザ・ドア法』と言います。
2.『ドア・イン・ザ・フェイス法』は、最初に大きな要求を出し、断られた後に本命のリクエストを出して、
交渉を進めるという技法。これも、有名なセールステクニックです
。たとえば、最初から「一式、ン十万円」の商品を売り込んでも、目の前でドアを閉められて、
門前払いをされてしまいます。しかし、セールスはここからが勝負。
再度ドアを叩いて、「実は、もっとコンパクトな商品もあるんですよ」と手ごろな商品を提示すると、
相手の心が動かされて交渉が成立しやすくなるという心理効果を、販売員はよく知っているのです。
このように、最初に大きな提示をし、それが断られたら、次に本命のリクエストで交渉するテクニックを
『ドア・イン・ザ・フェイス法』と言います。
<対応その1>
遊びに夢中で宿題を後回しにする子には、ぜひ『フット・イン・ザ・ドア法』で、
小さな要求を提示してみましょう。
たとえば、「さあさあ、そろそろ宿題をやらなきゃね〜」と、親がさっさと宿題を広げてしまい、
「難しい問題やってるんだね! これはどうやって解くのかなぁ?」と言って、
まずは最初の1問だけ解いてもらいます。それができたら、「よく分かったね! 次のは難しいかなぁ?」
などとテンポよく誘いながら、次の問題に導いていきます。すると、子どもは「こんなのカンタンだよ」
などと言いながら、本人も気づかないうちに、宿題を進めていったりします。
<対応その2>
休日にはぐーたら寝ているだけで、家事を手伝って頂けないかたには、『ドア・イン・ザ・フェイス法』で
誘ってみましょう。
たとえば、ソファに寝そべるかたに、「ねえ、お風呂洗ってくれない?」と、
いきなり骨の折れそうなリクエストを出してみます。面倒な仕事を押しつけられたかたは、
「え〜!?」と言いながら、思い切りイヤな顔をするでしょう。そのときにすかさず、
「じゃあ、お風呂は私が洗うから。その代わりに、テーブルの上だけ片付けてくれない?」と、
より簡単な要求を提示します。すると、「まぁ、そのくらいならいいよ」などと言いながら、
重い腰を上げて手伝ってくれるでしょう。
※このように、『2つのドア技法』は、リクエストを数度に分けて、戦略的に交渉していく方法です。
仕掛けた自分も、仕掛けられ相手も、双方ともに不快な思いを抱えずに行動を進められる、
とてもスマートな交渉術なのです。ちなみに、これらのドア技法を覚えておけば、
強引なセールスや詐欺に遭遇する危険も回避することができます。
『フット・イン・ザ・ドア法』・『ドア・イン・ザ・フェイス法』は、身近な人とのスマートな交渉に役立ち、
かしこい消費者になるためにも、知る価値のある方法です。ぜひこうしたテクニックを上手に役立てながら、
まわりの人と楽しく暮らし、ムダな出費を抑えてかしこく生活していきましょう!
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