[ 停滞メカニズムを知る ]
◎本格的な成長を遂げるために、まずは「停滞メカニズム」に
ハマっている自分を知ることが大切です。
「成長スイッチ」をONにすれば、すべてがパンと変わり始める!
<退屈とマンネリが生まれるのはなぜか?>
そもそも、退屈とマンネリを感じるのはなぜでしょうか?心のメカニズムを理解できると
その理由はハッキリします。
少し心理学的な側面から説明をしましょう。
心には、意識できる部分と意識できない部分があります。
それはちょうど氷山に似ています。
水面上に現れている意識は日常、私たちが意識できている部分です。
しかし、私たちの心には水面下に隠れている無意識の世界も存在します。
無意識というと怪しい世界のように聞こえるかもしれませんが、
普段自然すぎて意識できていない部分、また自分ではコントロールしづらい自律的に
働いている機能と解釈してください。
無意識が働いている例としては、何かに恐怖を感じたり、反射的な反応をする場合です。
高いところに行けば誰もが足がすくんで恐怖を感じます。
汗をかき、震えるといった反応は、無意識の働きです。
また、ライオンやサメを見て恐怖を感じるのも、無意識の反応です。
私たちが生きていく上でいちいち意識で判断するまでもなく、
自動的に生命を維持してくれるように脳には大切なプログラムがたくさん入っています。
それが無意識の世界です。
犬恐怖症の人の無意識には、犬にまつわる恐怖体験から、
「犬=危険」というメッセージが子供の頃に植え付けられているケースが多いものです。
ですから、大人になっても犬を避け続けるのです。
一見滑稽ですが、子供の頃、犬に襲われることは、生命維持の観点からすると危険だったわけです。
無意識が「犬=危険」と判断した場合、安全を守るために犬に近づかせないようルールを作るのです。
ここで理解していただきたいことは、無意識のミッションは、安全・安心を確保すること。
それには「現状維持」をすることが一番なのです。
人間に生存本能がある限り、当然といえる心の働きです。
簡単に言いますと無意識は「事なかれ主義」だということです。
よって、無意識は変化を嫌います。
無意識は変化せずあなたを必死で守ろうとします。
一方、意識は成長のために変わりたいと思うわけです。
このせめぎ合いから、変わりたいけれど、変われない。
成長したいけれど、挑戦できない、というジレンマが生まれます。
では、無意識と意識の力関係はどれぐらいなのでしょうか?
人間の認識の95%は「無意識」の領域で起こっており、意識しているのは、
多くてもわずか5%に過ぎないとよく表現されます。
数値化はしょせん難しい世界ですが、今は無意識が私たちの生活や人生に
大きな影響力を発揮するのだと理解していただければ結構です。
たとえば、いかに生活の中で同じことを無意識に繰り返しているかの例をご紹介します。
Aさんは、毎日だいたい次のような行動をとっています。
朝、出勤するとすぐにメールチェック。
お昼はいつものソバ屋に行き、その帰りにコンビニで同じ銘柄のお茶とガムを買います。
夕食は仕事帰りにいつもの惣菜屋でお弁当を買っています。
Aさんは無意識にこのようなパターンで生活をしています。
しかし、Aさんの一日には他にも様々な選択肢があったはずです。
朝、会社に行ってすぐにミーティングをする、お昼はフレンチに行く、
会社で買う飲み物は新作のスポーツ飲料、夕食は自宅で簡単に料理を作っても良かったのです。
あなた自身の生活を想像してみると実感できるかもしれません。
昨日を振り返ってみて、いつもと違うことをどれぐらいしたでしょうか?
いつもと違うことをするのはとても居心地が悪く、勇気のいることなのです。
なぜならば、大きな影響力のある無意識に対抗することだからです。
結果、散歩のルートを変える程度のことでも、居心地の悪さを感じるのです。
私たちの生活が、いかに無意識の影響を受けているかはご理解いただけたと思います。
<「3つの成長スイッチ」であなたは必ず脱出できる>
「停滞メカニズム」から脱出するには、2つの方法があります。
それは「短期的な脱出法」と「長期的な脱出法」です。
「短期的な脱出法」とは、いつもどおりの変化のない日常のリズムに、
意識的に変化を取り込むことです。
たとえば、新しい習い事を始めてみたり、仕事のやり方を変えてみたり、
違う人と会うなど日常に変化を取り入れることです。
いつもと違うこと、挑戦をすることで新しい可能性に気づくことができ、
「停滞メカニズム」から一時的に抜け出すことができます。
しかし、これらの一時的な変化では、すぐに「停滞メカニズム」に舞い戻ってしまいます。
無意識の力は、意識より圧倒的に強いからです。
新しい挑戦や変化は場当たり的に繰り返しても一時的な効果に終わってしまいます。
私の後輩は、「停滞メカニズム」から抜け出すために、ビジネススクールに通ったり、
習い事を始めたり、異分野の人と交流したりと、手当たり次第に新しいことを始めていました。
最初は新鮮で良いと感じたそうですが、自分の方向性や理想が明確でないため、
一時的な刺激や変化を味わうだけに終わってしまいました。
結局同じことの繰り返しをしている自分がそこにいたのです。
そこで根本から見直さなければいけないと、自己対話を繰り返し、本当に望む人生とは何か、
何が好きなのか、どう生きたいのか、そんな大きなテーマを考え続けました。
多くの人に会い、多くのセミナーに出て、それに近づく行動や習慣を繰り返す。
こんなことの繰り返しから、人生の軌道がどんどん変わり、
自分のミッションである「習慣化で人生を変える」を発見し、
今は独立して、本を書いたり、講演をさせて頂いたりしています。
これを「長期的な脱出法」と呼びたいと思います。
「自分のやりたいことがわからない」・「転職しようか、独立しようか迷っている」
・「自分を成長させるためにはどうすれば良いか」など迷いに迷った時は、
次の3つのことを意識します。
この3つのことができれば、本格的な成長軌道に乗り、
長期的にも自分らしい人生を手にすることができます。
1.将来の方向性を明確にする:自分の理想が明確ですと、成長の方向性が定まります。
成長とは、望ましい状態への変化のことです。
だからこそ、自分がどの方向に進みたいのか、理想が明確になっていることが大切です。
2.変化への行動を起こす:「変化領域」に入るためには、勇気を持って行動する力が必要です。
居心地の悪さ、恐怖、不安をどのように乗り越えて行動していくかが、2つめのカギです。
3.成長の習慣を身につける:長期的に成長し理想を手にするには、「続けること」が重要です。
マルコム・グラッドウェル氏が提唱した「一万時間の法則」というのがあります。
これは、スポーツ選手やビジネスパーソンなど「天才」・「一流」と呼ばれる人たちが
その地位にのぼりつめた背景を分析した結果、スポーツでも音楽でも何でも、
何かに習熟して一流になるのに、人は一万時間の練習(積み上げ)が必要なのだというのです。
継続は力なり、習慣は第二の天性と言われます。
さらにアリストテレスの言葉を借りるならば、「人は習慣によって作られる。
優れた結果は一時的な行動ではなく習慣から生まれる。
」のです。
続けることの中から真の成長と成果は生まれます。
これが「停滞メカニズム」からの「長期的な脱出法」です。
人生レベルで成長を続けるにはこの3つを三位一体で実践することをご提案したいと思います。
そして、これらを「3つの成長スイッチ」と呼びます。
「3つの成長スイッチ」は相互に連携しながら発展していくものです。
だからこそ、3つのスイッチが同時に入っている必要があります。
この3つのスイッチを入れて、成長スパイラルで生きる。
そのことが、自分らしい人生を手にすることにつながります。
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