[「言い訳ばかりする人」を「スター社員」へ! ]
◎言い訳をする人は、見込みがある人。
「まさかそう来るとは思わなかった」というような、芸術的な言い
訳をする人もいて、
その表現力に舌を巻くこともしばしばあります。
例)「2 週間前の会議でやると言ったことが、どうしてまだできてい ないんだ?」
たとえばこのようなことを上司から指摘されたとしま す。
すると「言い訳アーティスト」たちは無意識のうちに脳のブー スターを働かせます。
ものすごいスピードでこの 2 週間にあったこ とを想起し、会議では「やる」とみずから言ったものの、
今もまだ できていない正当な理由はないか、この期間に起こった出来事の断 片を繋ぎ合わせ、
何とか妥当性のある表現を創造しようと試みるの です。
「確かに、私は 2 週間前の会議で、やる、とお約束いたしま した。
あのときは私も絶対にやり切ろうという気持ちだったのです。
しかしながら、出張から戻ってきた今週月曜日、パソコンを開ける
と雑務が山積みであることを思い知らされるのです。
そのきっかけ
になったのが、課長が先日、導入を決めたグループウェアのシステ
ムでした。
あのシステムのおかげで、私の処理しなければならない
作業がどれほど多いかを教えてくれました。
確かに自分自身が会議
の場で、やる、と宣言したことを先送りしたわけですが、
いずれに
しても、この打合せの後、すぐにでも着手し、終わり次第、お知ら
せいたしますので」と。
<「言い訳アーティスト」たちのスピード感>
:「言い訳アーティ スト」の脳にはブースターがついています。
話している途中から、 次々に「自分を正当化する表現」を編み出しては披露するのです。
恐ろしいほどの「すり替え」・「つじつま合わせ」のスピード感は、 聞いていて恍惚としてきます。
「言い訳」のほとんどは準備なしに 表現する「即興芸」です。
現に起きてしまった行動や状態にうまく 理由をつけて説明をする。
これを意味の偽造、「作り話」と呼びま す。
上司からすると厄介な存在でも、別の角度から見ると「言い訳 アーティスト」は優れたストーリーテラーとも言えるでしょう。
こ のような「言い訳アーティスト」を激変させるには、「言い訳エネ
ルギー」を別の方向へ向けさせるのです。
機転が働くということは、 見込みのある証拠。
スター社員に化ける可能性も秘めているのです。
一方、見込みがない人は、言い訳さえできない。
問題なのは「言い 訳ばかりする人」ではなく「言い訳さえできない人」。
「謝ってば かりいる人」です。
例)「2 週間前の会議でやると言ったことが、 どうしてまだできていないんだ?」 と上司から指摘され、
何も言い
訳せず「ごめんなさい」・「申し訳ありません」と謝ったりする人 がいます。
1 回や 2 回ならともかく、いつもいつも謝られると、上司 は「言い訳のひとつでもしてくれ」という気分になってきます。
「謝 ってもダメだ。
以前もこういうことがあっただろう? 期限内にで きないのならどうして私に相談しないんだ?」
と、このように詰め 寄られても、なぜそれをしなかったのか理由が言えません。
「本当 に申し訳ありません。
次回から気をつけます」と。
相手に「言い訳」 をされると、怒っている側はいったん感情がせき止められます。
相 手が言っていることの整合性を吟味しようとするからです。
ところ が「言い訳」さえないと、感情の置き場に困ります。
負の感情が増 幅してしまうのは、そのせいです。
「前もそう言ったじゃないか。
聞き飽きたわ!私はどうしてできなかったのかと聞いてるんだよ、 言え!どうしてだっ!」 と、
よけいにヒートアップしてしまいます。
感情の舵取りがうまくいかなくなっていきます。
「謝ってばかりい
る人」は、脳のブースターが働かなくなっている可能性があります。
体や心のバランスを崩しているのかもしれません。
そのような状態 なのに、責めたり、怒鳴りつけたりしては、状態を悪化させるだけ です。
謝ってばかりの人、泣きだしてしまう人を見ていると、上司
は感情の置き場に困るでしょうが、
相手は頭がうまく回転しない状 態に陥っている、と受け止めたほうがよいと思います。
「言い訳ア ーティスト」と話していると疲れてくるので、煙たがる人が多いで しょうが、
スター社員に化けることもありますので、上司は「謝っ てばかりいる人」より、
見込みのある「言い訳ばかりする人」に立ち向かっていきましょう。
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