『結果を出せるリーダーになる武器』
◎どれだけ発想を広げられるかが鍵!
どれだけ発想を広げられるかは、
(1)頭の中の情報量(アイデアの素材)
(2)情報が潜在的アイデアに加工されている割合(加工率)
(3)潜在的アイデアを引き出せている割合(発想率)
――この3つで決まります。多くの人にとって最も有効なのは、発想率を高め、
発想のモレを防ぐことですが、情報量や加工率の改善も、発想を広げるうえでは欠かせません。
そもそも引き出すべきアイデアやその素材が少なければ、
顕在化できるアイデアも当然限られてくるからです。
・・・頭の中の「情報量(アイデアの素材)」を増やす方法について考えてみましょう。
●知識は「総量」よりも「多様性」が肝心。
頭の中の情報量というのは、創造的なアイデアの素材となるすべてのものです。
知識量と言ってもいいかもしれません。たくさんの知識がありましても、
それを引き出す力(発想率)がなければ意味がありません。そこで「学ぶ」と「考える」を峻別して、
思考力を備えたリーダーこそが結果を出すことができる、「思考力」こそが結果を導く武器と考えます。
●「致命的なムダ」に焦点をあてる。
知識を広げすぎてそれが「ムダ」になっておりませんか?
・・・知識が多いことに越したことはありませんが、情報=アイデアの素材をインプットする上で、
工夫できることが2つあります。
(1)頭の中の情報は量を増やすよりも、幅を広げる
(2)頭の中の情報を知識で終わらせず、知恵へと深める。
頭の中の情報の「絶対量」を増やすよりも「幅」を広げる。(幅を広げれば当然、絶対量も増えます)
絶対量を増やすにしても、「偏り」をなくしたほうが良い。(=多様性を増やしたほうが良い)
文豪夏目漱石氏は、弟子になりたいという人へよく、
「ウィンドウショッピングを重んじたのか?」とたずねました。
地方出身の学生が訪ねてきたときのこと。
学生が「私は小説家になりたいのです」と語りますと、漱石氏はこんな質問をぶつけたといいます。
「君はウィンドウショッピングが好きかね?」と。若者は大変真面目な学生でしたので、
次のように答えて、文学への情熱をアピールしました。
「ウィンドウショッピングなんかしている時間があったら、私は書斎で本を読んでいます。」
しかし、それを聞いた漱石は、「君は小説家に向かないからやめておきなさい。」と諭しました。
このエピソードはさまざまに解釈できますが、漱石がここで「ウィンドウショッピング」と語っているのが、
知識の「幅」を広げるということに通じているのではないでしょうか。
現在、「頭の中の情報量を増やそう!」というとき、あなたはどのようなことをなされますか?
書店に行って本を買う人・インターネットを検索する人・セミナーなどに参加する人、
いろいろおられるでしょう。
ですが、ここにも「無意識の思い込み」が入り込んでいるのではないでしょうか?
つまり、あなたがその本を手にとったことにも、その人の話を聞きに行ったことにも、
必ず何らかの前提があります。そうでなければ、「この情報が自分に役立つはずだ。
学んでみよう」という判断ができないからです。
勉強することが悪いということで決してありません。
どれだけ自分で知見を広げているつもりでありましても、結局のところ、それらの情報収集は、
自分の経験・知識・常識の枠組みの中で行われるものでしかありません。
つまり、情報の総量は増えていても、本当の意味で幅が広がっていないのです。
それに対しまして、「ウィンドウショッピング
というのは、ある意味、無目的の情報収集となります。
もちろん、自分の足で歩いているという意味では能動的な部分はありますが、
ぼんやりとしながらフラフラと歩き回り、情報が向こうから勝手に飛び込んでくるのを
待っている受動的な状態です。
自然情報流入です。
小説家のような高い創造性が要求される仕事をするためには、
アイデアの素材に多様性(幅)がなければなりません。「ウィンドウショッピングが好きか?」
と学生に尋ねた漱石氏は、情報流入の習慣を学生が身につけているかどうかを
確認していたのではないでしょうか。
徹底的に「受け身」な人ほど知識の「幅」が広がります。
知識に多様性を持たせるためには、どうしても自然情報流入が必要です。
ですが、こちらから情報をとりにいくのではなく、完全に受動的な状況をつくるというのは、
意外に難しい面があります。
たとえば、マーケッターがこのようなことを語っておられます。
「私は電車に乗っているとき、表参道なんかで途中下車してあてもなく街歩きをすることがあります。
そうすると、イマドキの消費トレンドだとかマーケティングに関するヒントがたくさん見つかるんですよ。」
しかし、これを本当に自然情報流入と呼べるかといいますと、じつはかなり怪しいのです。
彼がその駅で降りて街歩きをしようと思った背景には、やはり何らかの前提があります。
つまり、その人があらかじめ知りたいと思っていた現実にしか触れられていない可能性が高いのです。
本当に「受け身」な状態をつくろうと思えば、人気テレビ番組「日本列島 ダーツの旅」のように、
行き先そのものをランダムに決める仕組みを導入する必要があります。
・・・ビジネスの場にて、「ダーツの旅」を、そんな思い・試みこそが
「結果を出せるリーダーになる武器」です。・・・日々の自己研鑚です。
『自然情報流入⇒発想を広げる⇒手を打つ』のサイクル
・・・人間力向上!人材育成の核ではないでしょうか。
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