[ 挨拶=人間性 ]◎挨拶一つで人間性が分かる。
何気ないひと言で、人は、元気が出たり傷ついたりします。
同じ言葉であっても、語る相手によって心に染みることもあれば、
いい加減にしか聞こえないこともあります。
言葉は本当に不思議です。
特に挨拶やちょっとしたひと言など、短い言葉ほどストレートに相手に届きますから、
細心の注意を払いたいものです。
例えば、朝の挨拶にしても、「お…ようございま…」などと、
かろうじて聞こえるような言い方では、
本人はもちろん周囲も頑張って働こうという気持ちにはなれません。
仕事をどう進めるかを考える前に、やる気や元気を奪ってしまうのですから問題です。
一方、「おはようございます!」と弾むような声で語尾までハッキリと、
笑みをたたえ相手を見ながら挨拶する人ですと、
「やる気があるな、あの人」・「なかなか見どころがある」と、挨拶一つで評価も上がります。
何よりもこういう人には、「一緒に仕事をしたい」という仲間意識を抱くものです。
新入社員の頃は、誰もが元気良く丁寧に、挨拶をしていたと思いますが、
経験を積むうちに挨拶はできても、気を使わなくなりがちです。
中には「仲間に愛想良くしても得にはならない」とか、
「部下に自分から声をかけるのはカッコがつかない」などと、
損得勘定で挨拶を考える面が出てきます。
社長や幹部社員以外には自分から決して挨拶をしない、「無愛想部長」ということで、
皮肉をこめて「無長」(ぶちょう)と呼ばれる人がいます。
彼と接すると「テンション」が下がると周囲は敬遠気味だそうです。
それだけではありません。
「最近、彼の影響を受けた部下が、挨拶は社外できちんとすればいいと
考え始めていて困っている」とのこと。
実際、得意先を訪問。
笑みを浮かべて、元気良く「おはようございます!」と挨拶したつもりでも、
本人は気づきませんが、口元だけで笑っていたり、
言葉は力強いのに嘘っぽく聞こえたりと、肝心な時にカラ振りしかねません。
「何だかあの人、信用が置けない」という、見方をされることもあります。
一方、管理職のかたで「挨拶一つで、人間性が分かる。
仕事の能力も計れる」・「仕事ができる人は、言葉選びに無駄がない」
・「そういう人と仕事がしたい」とおっしゃるかたもおられます。
ちょっとしたひと言が、ビジネスパーソンとしての将来を決めかねないということでしょう。
「仕事ができる人は言葉選びに無駄がない」
「TPOに応じて、最適な言葉を選びきちんと伝える」・・・それは敬語をきちんと使い分けるとか、
ほめ言葉や愛想、お世辞の類で相手を喜ばすということではありません。
「言葉に気持ちを込める」という姿勢です。
自己PRや営業トークを磨くのに余念がない人は、数多くおられますが、
「ひと言」に気持ちを込めることに気配りする人は、少数派でしょう。
だからこそ、そういう人は輝くのです。
その他大勢から抜きん出るのです。
ここで試しに、「お世話になっております」を「お世話になんかなっていない、
こちらの方が世話をしているじゃないか」と、
「助かりました」を「いつも私が助けているのだから、これぐらいしてもらって当然」などと、
イメージしながら声にしてみてください。
そうしますと、声にもそういう思いが現れてしまいます。
声は思った以上に正直ですから、相手にも伝わるのです。
あなたも経験があると思いますが、「ごめんなさい」・「申し訳ありませんでした」と
謝罪されても誠意が伝わってこなかったり、「うれしい」・「感激です」と
喜んでいるのに響いてこないのは、言葉に気持ちがこもっていないからだと言えます。
単に口先だけで言っているのならば仕方がありませんが、純粋に感謝や感激をしているのに、
相手に届かないとしたら、悲しいですよね。
かと言って、謝罪で大泣きしたり、終始うつむいたりしたり、喜びを表現するのに、
飛びあがったり、ガッツポーズをするのも「オーバーアクション」で、
胡散臭さを感じる人もいるでしょう。
では、どうしたらいいのでしょうか?ここで『言葉に気持ちを込める』、
簡単な方法をご紹介します。
1背筋を伸ばし正しい姿勢で話をする → 聞き取りやすく澄んだ声になります。
2早口にならないように気を配る → 言葉に真実味が生まれます。
3喜びを伝える場合は、声のトーンをいつもより一段上げる → 声に弾みがついて、
喜びの大きさを印象的にします。
4悲しみを伝える場合は、声のトーンをいつもより一段下げる → 慎み深さや慈愛の念が、
声に現れます。
5謝罪を伝える場合は、声のトーンを下げゆっくり話す。
グレー系の服装をすると良い。
謝罪に出向く場合は、相手に及ぼした迷惑や影響などを整理しておく →
余計なことを話して問題を大きくさせることなく、誠意が伝わります。
・・・これらを、基本にすると良いでしょう。
また電話で気持ちを伝える際は、対面する以上に声を通じてお互いの姿が正直に伝わると
理解しておきましょう。
ですから「いつもお世話になっています」・「○○さんのおかげです」と言うような場合、
電話をしながら一生懸命お辞儀をして、誠実に対応するぐらいでいいのです。
「見えない相手にペコペコするなんて、バカバカしい」と、
冷ややかな視線を送る人もいると思いますが、これは決してバカバカしい対応ではありません。
バカバカしいと切り捨てる人の方が、馬鹿を見る可能性が大です。
「見えないからいいや」と、そり返ったり足を組んだり、受話器を肩とあごではさんだりして、
横柄な態度で電話をしますと、声も横柄になりがちで相手に分かってしまいます。
また、ボサボサ頭やひげ面で電話をすれば、その雰囲気も不思議と相手に伝わりますから、
ビジネスの場面では、避けたほうがいいでしょう。
同様にジャージー姿やしわくちゃなシャツなど、だらけた服装で電話をしてもその感じは伝わります。
気配は届いてしまうものなのです。
見えないからこそ、先に紹介した「言葉に気持ちを込める簡単な方法」を基本に、
身なりを整えてから電話をしましょう。
こうした気配りは自然と、誠実な人・信頼できる人という印象を相手に与えるでしょう。
仕事に良い影響を与えるのは間違いありません。
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