『格好をつけない話し方』

    『格好をつけない話し方』

◎借り物の言葉はなぜ、伝わらない?

今の流行の横文字を使わないと何となく不安?・・・しかし、使い慣れていないと

相手はとまどいます。心地よい会話の継続は不思議なくらい横文字が出てこない。その理由は?

「一瞬でも、それはどういう意味?と考えてしまう言葉は聞いているほうが疲れてしまいます。」

ということで、話をする時、決して聞き手を疲れさせてはいけません。・・・が基本です。

それが、「格好をつけない話し方」の基本です。

「日本語でもよく、高邁な難しい言葉や用語を使う方がおられます。

聞き手も、この人は難しいことを話す人だと、場合によっては尊敬されるかもしれません。

ですが、多くの場合、もう一度辞書を引かなくてはわからないような言葉は相手を疲れさせるだけで、

あまり効果はありません。」

実際、ある新聞社が内外の著名経営者を集めたシンポジウムを開催し、

講演をインターネットで流したところ、講演が経営学の論文のような内容よりも、

自身の経験をもとに独自の考えを説く「わかりやすい話」が圧倒的にアクセス数が多かった。

格好をつけない話し方が人気なのです。

「よく、人前で話をする時、何かの本を読んで、使えそうな話を引用しようとすることがあります。

その際にある程度、自分なりの解釈・思いを込めて話すなら良いでしょうが、

通り一遍で読み上げるだけでは説得力がなく、これも相手を疲れさせるだけです。」

やはり聞き手の反応を見ながら、臨機応変に頭をフル回転させておりますと、

「あっ、聞いてくれている、ではこれはどうでしょう」とアイデアが浮かんで参ります。

あくまで格好よく話そうとする意識を持たずに、相対する方の反応を読み取り、

「聞き手を疲れさせないためには、自分が常に考えていること、自身が経験して知っていることを、

できるだけ平易な言葉で表現すること。借り物の言葉や付け焼き刃の知識で話をしても、

何も伝わらない。自分の知っていること以外の借り物の話をするから、うまく行かなくなる。」を

念頭に、特に初めてお会いする方に対しましては細かい心配りが大切ではないでしょうか。

話は高尚である以上にわかりやすさが一番ではないでしょうか。

「格好をつけない話し方こそが聞き手の共感を呼ぶ。」ということではないでしょうか。