『聴いて9割、話して1割が有効』

『聴いて9割、話して1割が有効』

●「A stitch in time saves nine」(時宜を得た1針は、9針の手間を省く)

 衣服が破れたときに、すぐ縫えばたった1針で済んだのに、後で縫おうと思っていたら、

結局9針も縫わなければならなくなった、という諺です。

 これは、「傾聴」と「話す」という作業の関係にピタリと当てはまります。

はじめに相手の話を聴くことに9割の時間とエネルギーを割くことができれば、

その後はたったひと言で十分です。

 相手の事情や感情をよく聴き取ったうえであれば、たったひと言でも、

相手のニーズにピタリとはまったり、相手がこちらの意図通りに動き出すのです。

前もって相手に関する情報を十分に収集して、会ってからは9割の力を聴くことに注いで、

ひと言パチリと発言して決めましょう。集中力を傾注したひと言で、王手をかけるのです。

 そのひと言は、絶対的な効き目を持って相手を動かして行きます。

「聴いて9割、話して1割」とは、そういうことなのです。

 顔の表情や声の調子、姿勢などの「非言語表現」に目を凝らして、総合的に言葉を読み取り、

上手に質問して真意を訊き出す。これが大切です。非言語には、真実が表れやすいからです。

 さりげない会話の中でも、ビジネスシーンのプレゼンテーションでも、

相手の話をよく聞いて、本当の気持ちまで深く正確に聴き取れる人、

そして問題を解決するためにきちんと訊ける人。そういう人は人間関係でも仕事でも必ず成功します。