『したい性と主体性』

 『したい性と主体性』

◎「今、何がしたいか」と同時に、「今、何をしなければならないか」・・・の思いの大切さ。

日々、併せて考えることが大切ではないでしょうか。そしてさらに、

その両者が競合し迷った時には、“しなければならないこと”を優先して行える判断力と

意志の力を発揮することが大切ではないでしょうか。

それは、“してはいけないこと”に対しても同じです。“したくても、しない”意志の力です。

どうしても日々やり易い仕事、自分の好きな仕事からしようとしてしまう傾向があります。

そのような際、「やらなければいけない仕事から、まず片付けて行きなさい」と言い聞かせることです。

その積み重ねの結果、したいことよりも、しなければならないことを先にする習慣が身につきます。

それは仕事の中だけではなく、「朝、もう少し寝ていたくても、

目覚まし時計の音と共に起きること」・「言いたくても、言ってはいけない言葉を我慢すること」等の

積み重ねです。自身の生活の随所にブレーキをかけることによりまして、自制を可能にしてくれます。

今、子どもたちの主体性を重んじる教育ということが良く言われていますが、現実には

、「したい性」が伸び放題になってはいないでしょうか。子どもたちが真に自由になるためには、

したいことを我慢し、または自分に「待った」をかけて、しなければならないことを先にする

“もう一人の自分”を育てて行くことが大切なのではないでしょうか。

教育の重要な役割は、知識の詰め込みではなく、子どもたちに自分の欲望を抑えてでも、

真の善を選べる人間になるように育てて行くことではないでしょうか。

人間はとかく、追いつめられると、目先の善に走りがちです。従いまして私達は常日頃、

心にゆとりを持ち、物事に優先順位をつけながら生きて行く判断と意志の訓練をすることが大切です。

自分の「したい性」を抑えて、「主体性」を身につけて行かないといけないのです。

「したい性と主体性」・・・常に考える自分でありたいものです。