169 『疲れさせない会話』

『疲れさせない会話』

◎心にスルスル入って行く!

わたしたちは日々たくさんの人と話します。いろいろな人と話をしていくと、

「あぁ、この人の話はスッと入ってくるなぁ」とか「この人の話はカタい。けど面白い」とか

「この人は〜が口癖だな」とか、特徴を見つけることがあります。

 そんな特徴の一つに「ひたすら自分トーク」な人、いませんか?

 自分の興味深いワードが少しでも出ると、「あっ! それ知ってる! それさーすっごく大好きで、

昔から知ってたんだよね! 特に〇〇と〇〇が好きで……」と、相手に半ば一方的に話をしてしまう人。

 気心の知れている友達ならともかく、初対面や知り合って間もない人とこのような話をしてしまえば、

相手は引いてしまいますよね。自分にとっては当たり前と思える範囲の知識も、

相手のかたは初めて知る分野の知識かもしれませんから。

 それらをうまく伝えられなければ、相手がちんぷんかんぷんになってしまうのは当然。

会話の中に新しい情報を入れれば入れるほど、相手は情報の整理に頭を使わなければならなくなります。

いわば、相手にとって「話を聞く」というのはパソコン処理を例に致しますと、

「ブラウザで新しいページを開くようなもの」と考えてみれば分かりやすいでしょうか。

 新たなページを開くことで自分は相手の情報を得るわけですが、

「ひたすら自分トーク」な人と話をすれば、それだけページがたくさん開かれて、

あれこれたくさんの情報が相手の頭の中で展開されるわけです。

いくつもページを開いてしまっては、パソコンも処理に追われていずれはフリーズしてしまいます。

 では、どうすれば、相手を疲れさせずにたくさんの情報を伝えられるのでしょうか?

1.「会話で相手に開かせるページ数を抑える」

2.「関連リンクや検索窓で徐々に開かせる」

 特に初対面の相手であれば、いきなり大好きな本田圭佑選手の先週の試合の話をするのではなく、

まずは「サッカーが好きなんです」とだけ話します。

そうしますと、相手は「この人はサッカーが好きなんだな」というページだけを開き、

そこから好きなチーム・選手・試合・ゴールなど、関連したものを自分で検索しようと

思ってくれるわけです。

相手が「どのチームが好きなの?」・「 好きな選手は?」と興味を示してくれたら、

そこで初めて「本田圭佑が好き」と答えればいいわけです。

 自分が夢中になっていることの話をしたいなら、なるべく大きなジャンルから話しはじめて、

相手の反応をうかがいながら進めること。これが鉄則です。

<心を揺さぶる会話術 >

どれだけ相手を受け入れていますか?

普段、私たちは会話をする際、相手の言葉に無意識に反応していることがほとんどです。

私たちは「自分の心で感じていることを無意識にそのまま表してしまう」ために、

例えば会話の中でも、緊張しているとその緊張が表れてしまいますし、

苦手意識を持っている場合は、相手に対する抵抗感や距離感がつい出てしまうんですね。

仲良くなりたい……と思っていても、例えばこちらが気を遣いすぎていると、

ぎこちなくなって相手の気持ちが離れてしまったり、逆に相手の心にずかずか入り込んでしまい、

敬遠されてしまうこともあります。会話の内容そのものではなく、話すタイミングや、

言葉の使い方によって、自動的に相手との距離が決まってしまうことがあります。

これでは、どんなに好意を持って会話をしていても、なかなか良い関係につながっていきません。

それでは、相手との距離を近づける会話の仕方や反応とは、どのようなものでしょうか?

許可を出してあげている?

相手の話を聞く際、話にじっと集中して何度も頷いてみる、焦らずに体をしっかり相手に向ける、

最後まで話させてあげて話を区切らない、相づちを打つ。

こうした反応はすべて「あなたが話して大丈夫ですよ」という許可として受け取ることができます。

恥ずかしいからと言ってなかなか反応しなかったり、じっと緊張して頷かなかったりすると、

相手は反応がない=このまま話していてもいいのだろうか?

という無意識的な不安を与えてしまうことになるんですね。

盛り上がって思わず会話を遮ってしまう時も、「せかされている」・「相手が話したがっている」

ということに意識が向いてしまい、受け容れてもらっている安心感を持つことができません。

会話の基礎に「相手は自分の敵ではない」というはっきりした安心感があることで、

それが相手への親密感につながっていきます。

どれくらい肯定してあげている?

相手が話をしているときに、「でも逆に……」とか、「けどさ……」という

逆説的な言葉を使ってしまうことも、相手との距離を遠ざけてしまいます。

日常生活ではつい自分の意見を主張するときや親しい相手に対して、悪意なく言ってしまう言葉ですが、

あまり親しくない人からこういった逆説・自分の意見を否定するような言葉を使われてしまいますと、

人はいつの間にか「その言葉を使った相手=自分を否定する人」というように

認識するようになってしまうんですね。良くも悪くも、人は相手が繰り返している行動・会話によって、

「相手はこんな人なんだ」という印象を作ります。

意見が違うだけでは否定的だと捉えられることは少ないのですが、

こうした言い方をしてしまうことで「自分をすべて否定してくる」という

悪いインパクトを与えてしまうんですね。だからこそ、相手を常に否定するという印象を持たれる前に、

「そうですね」・「なるほど」・「うんうん」というように、

相手の意見を肯定する反応をしてあげると、「この人は自分を肯定してくれている」

という信頼感を持って頂くことができます。

どれくらい自分自身の思いや感想を伝えている?

そしてもう一つ大切なことは、ただ相手の話を聞くだけではなく、相手の会話・意見に感想を交えたり、

自分自身の思いを伝えるということです。人は話を聞いてもらうとき、

ただ相づちを打ってもらうことでは満足することはできません。

自分自身の話や、自分の意見をはっきりと「理解してもらっている」という反応を得られてこそ、

きちんと自分を受け止めてもらったという満足感を得ることができます。

ただ話を聞いて「そうなんだ……」というだけでは、「ちゃんと分かってもらえたのかな?」

・「何を考えているか分からない」という不安を感じさせてしまうんですね。

ですので、ちょっとした感想や思いでかまいませんので、相手にきちんと自分の考えを伝えてみましょう。

ただ会話を盛り上げたり、相手に話を合わせるだけが大切なのではなく、

どれだけ相手を「受け容れているのか?」・「受け止めているか?」という姿勢から、

人は相手との信頼感や安心感を育てていきます。好意を抱いていても、

ちょっとした思い違いで相手に誤解を抱かせてしまい、素敵な出会いを逃してしまったら、

それはとても残念なことです。

◎あなたの思いにこうしたテクニックを織り交ぜながら、上手に自分自身を表現し、

素晴らしい人間関係を引き寄せて下さい。