259[ 第三印象を良くする ]◎行動習慣によって形作られる印象が「第三印象」

[ 第三印象を良くする ]◎行動習慣によって形作られる印象が「第三印象」

・・・自然と周囲がアピールしてくれる印象

・・・直接伝えられるよりも印象が強まる「ウィンザー効果」発生

・・・受け取る「インパクト」が強い。

・・・「第三印象」を良くしましょう!

「第一印象」は大切ですから、身だしなみや表情・姿勢・明瞭でわかりやすい話し方等、

「第一印象」を良くするために心がけることはたくさんあります。

特に、初対面のとき相手に与える印象を良くすることは、人間関係を良好に保つうえで、

とても重要なことです。

 とはいえ「第一印象」を良くしたい、と思いながらも、なかなか上手くできない場合があります。

一番わかりやすいのが「笑顔」。 

「笑顔を意識して話す」と思いながら、上手くできません。

表情や姿勢、態度は「習慣」の集積です。

習慣は、過去の体験の「インパクト×回数」でできていますから、

意識する「回数」がとても重要です。

自然と「笑顔」ができるようになる「インパクトのある体験」など存在しないからです。

 身だしなみや声の出し方も「習慣」です。 

日ごろから強く意識していないと、身につかないものです。

「場数」が重要です。 

 パッと見の「第一印象」に比べ、「第二印象」とは、少しの時間、触れあってから抱く

相手の印象のことです。

たまに接触するときに抱く印象も含まれます。

就活のときなどの「面接」では重要視される項目です。

「パッと見はいいんだけど、話しはじめたら全然ダメだった」

・「笑顔は素敵だし、ファッションセンスもよく好感をもったけれど、

すぐに自己中心的な人だとわかった」 ・「最初は暗い感じの印象を受けたけど、

コミュニケーションをとってみると、冷静で、かつ論理的な受け答えができる。 

判断能力に優れている印象を受けた」 等・・・つまり「第二印象」とは、

「最初は~だという印象を持ったけれど、すぐに別の印象を感じた」というものです。

前述したとおり、人の思考プログラム(習慣)は「インパクト×回数」でできています。

インパクトは「ギャップ」によっても創出されるものです。

「見た感じより、すごくいい感じの人」・「挨拶するまでは良かったけど、挨拶だけだった」等。

良くも悪くも「第二印象」とは「第一印象」とのギャップによって創り上げられるものですから、

印象として強く残ります。 

「素」の部分が垣間見えるからでしょう。

プレゼンや接客なら「第一印象」のみでも、かなり好感度をアップできますが、

「面接」等では、「第二印象」を最重視したいですね。 

しかし「第二印象」を良くしようにも、それも苦手、という人もいるでしょう。 

自分は誠心誠意アピールしているのだけど、なぜか伝わらない。

なぜか誤解される。

「覇気がなさそう」・「積極的に見えない」等、本当はそうでもないのに、

そのように思われてしまい損をしている。

どうしても好感度を上げられない。

という人もいるでしょう。 

しかし接客業や、製品のデモンストレーションを担うような仕事をされるならともかく、

そうでなければ、それほど悩む必要はありません。

はっきり言って、所詮「第一印象」・「第二印象」などは「点」の情報です。 

「第一印象」・「第二印象」が良くても悪くても、「できる人」はできるし、「できない人」はできない。 

これは断言できます。

見た目も喋り方もイマイチなのに、企業の屋台骨を支えるぐらいに結果を出すトップセールスは

ゴロゴロいます。

メディアに露出している人は「見た目」や「プレゼン能力」も凄いかもしれませんが、

普通の仕事をしている限り、ほとんど関係がありません。

何より、「点」ではなく「線」で考えることが重要です。 

「第一印象」・「第二印象」が良くても悪くても、日頃から正しい行動をとっているかどうかです。

愚痴をこぼさず、不安や不満を口にせず、淡々と組織に貢献する行動ができるかどうかです。 

お客様の要望にスピーディに応じることができるか。

・・・これらの行動習慣によって形作られる印象が「第三印象」です。 

 「第三印象」は、その人自身が自分を装飾・デコレートしなくとも、代わりに周囲がアピールしてくれます。

その人と「点」ではなく「線」の付き合いがある人、行動習慣や日ごろの考え方までわかっている人が、

その「印象」を周囲に伝えてくれるのです。

第三者を介した情報・噂話のほうが、直接伝えられるよりも印象が強まることを

「ウィンザー効果」と呼びます。

まさにこちらのほうが「インパクト」が強いと言えるでしょう。

しかも前述した通り、インパクトは「ギャップ」によって創出されます。

「第一印象」・「第二印象」がイマイチのほうが、「第三印象」は高まってしまうという

逆説的な考え方もできます。

 それでは「第一印象」・「第二印象」・「第三印象」の、いろいろな組み合わせを考えてみましょう。

 <「第一印象」が良い・「第二印象」が悪い・「第三印象」が良いという組み合わせ>

「あの人、最初に会ったとき、すごく感じが良かったんだけど、すぐに自己中心的だとわかった。

でも、この1年近くで仕事をしていて思ったんだけど、やることは速いし、問題意識がすごくある。

誤解されやすいだろうけど、実はすごくポテンシャルがある人だと思う。」

 <「第一印象」が良い・「第二印象」が良い・「第三印象」が悪いという組み合わせ>

「うちのスタッフで、見た目が綺麗で、接客態度も良くて、お客様から気に入られているんだけど、

とにかく遅刻が多い。

理不尽な不満も多く、手を焼いている。

すごく厄介な存在だ。」

 <「第一印象」が悪い・「第二印象」が悪い・「第三印象」が良いという組み合わせ>

「最初会ったとき、とても地味で、話しても、マイナス思考な感じの印象を受けたんだけど、

実はあの人、全然違う。

 アピールしないだけで、裏でとても努力してるし、がんばり屋だ。

仕事を覚えるのが人よりも時間かかるようだけど、愚痴もこぼさずコツコツ継続している姿勢は

見習いたい。」

 ※「第一印象」も「第二印象」も、どちらも所詮は「点」の印象です。

 「第一印象」・「第二印象」のスコアが高得点なほど、「第三印象」が悪い場合、

ギャップが激しくなります。

 「あの人、真面目そうだけど、全然ダメ」と思われてしまうのです。

気を付けたいですね。

 しかし、だからといって「第三印象」のスコアを上げるために、

あえて「第一印象」・「第二印象」を悪くする必要はありません。

なかなか初対面の人に好感を持ってもらえない人だけ、後で挽回する楽しみが増えていい、

というぐらいの気持ちを持つことが大切です。

「そのうちわかる」・「いつかは報われる」と考えることです。

 中には「第三印象」が良いのに、いつまでも「第一印象」・「第二印象」を引きずる人も

いることでしょう。

 しかし、それはその人の認知能力の問題です。

 人を表面(うわっつら)でしか評価しないような人なので、

その人本人の「第三印象」が悪いと言えるでしょう。

 「第三印象」の悪い人に、良い印象を持たれなくても気にする必要はありません。

 ☆「表情」・「態度」は変えづらくとも、日々の行動をメンテナンスしていくことが大切です。