[ やる気と脳のしくみ ]◎やる気を出すには、脳が学習する必要があります。
心機一転やらなくてはいけないことが多いのに、どうにもやる気が出ないということはありませんか?
・・・そこで“やる気スイッチ”を入れる方法について、脳科学の視点からご確認頂きます。
<「やる気」ってそもそも何でしょうか?>
やる気は「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2つに分けられます。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
・・・人は理由があるからやる気が出るのですが、その理由は2種類です。
『外発的動機づけ』は、外部からの報酬が理由になる場合です。
お金でも賞品でも良いのですが、ご褒美を頂けますと『またやろう』と思います。
たとえば“やらされている感”のある仕事は『外発的動機づけ』によることが多いかもしれません。
一方の『内発的動機づけ』は、行動自体が動機になる場合です。
報酬に関係なく“楽しいからすること”など、自主的に行うイメージです。
趣味や習い事は、『内発的動機づけ』によることが多いものです。
<では、どうすれば「やる気」は出るのでしょうか?>
やる気を出すには、脳が学習する必要があります。
報酬をもらえたり、行動自体が楽しかったりして快感を覚えますと、行動をつかさどる前頭葉と、
「やろう」と思うときに活動する線条体という部分が作用して、快感と行動を結びつけて記憶します。
そして、同じ状況に置かれますと、当時の快感がよみがえり「やろう」と思うのです。
報酬や、やりたいことが提示されて快感を得ますと、中脳から線条体や前頭葉に向けて
ドーパミンが分泌されます。
これによって「やろう」という意識が起こるのです。
ドーパミンは予想外の良いことが起こりますと多く分泌されますので、
特に豪華なご褒美や目新しいことですと、やる気がわきやすくなります。
逆に同じ目標や報酬が続きますと、脳が飽き、ドーパミンが出にくくなります。
従いまして、低い報酬から始めた方が、やる気を維持しやすいと言えます。
<やる気スイッチを入れにくくする5つのNG例>
脳科学の視点でみた見た時の「やる気スイッチを入れにくくするNG例」を5つにまとめました。
①失敗を何度も繰り返す。
②やりたくなるのを待つ。
③できなかったときに罰を設ける。
④無闇にご褒美を設定する。
⑤睡眠不足で事に挑む。
・・・以上が、日々の留意点となります。
<まとめ>
やる気を出したのに、それが毎回失敗する。
これを繰り返しますと、脳が頑張ることを無駄に感じてしまいますので、
目標は、手が届く範囲に設定しておくことです。
また、成功した時の自分へのご褒美も、慣れてしまいますと効果が薄れることになりますので
注意しましょう。
基本的な捉え方と致しましては、行動によるご褒美と経験の刷り込み(過去の成功体験や喜び)が
「やる気」を生むということです。
そのためには、日々、脳がしっかり働ける状態であることが重要ですので、
常に健康体であることを心がけましょう。
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