289[ やる気と脳のしくみ ]◎やる気を出すには、脳が学習する必要があります

[ やる気と脳のしくみ ]◎やる気を出すには、脳が学習する必要があります。

心機一転やらなくてはいけないことが多いのに、どうにもやる気が出ないということはありませんか?

・・・そこで“やる気スイッチ”を入れる方法について、脳科学の視点からご確認頂きます。

<「やる気」ってそもそも何でしょうか?>

やる気は「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2つに分けられます。

 それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

 ・・・人は理由があるからやる気が出るのですが、その理由は2種類です。

 『外発的動機づけ』は、外部からの報酬が理由になる場合です。

お金でも賞品でも良いのですが、ご褒美を頂けますと『またやろう』と思います。

たとえば“やらされている感”のある仕事は『外発的動機づけ』によることが多いかもしれません。

一方の『内発的動機づけ』は、行動自体が動機になる場合です。

報酬に関係なく“楽しいからすること”など、自主的に行うイメージです。

趣味や習い事は、『内発的動機づけ』によることが多いものです。

<では、どうすれば「やる気」は出るのでしょうか?>

やる気を出すには、脳が学習する必要があります。

報酬をもらえたり、行動自体が楽しかったりして快感を覚えますと、行動をつかさどる前頭葉と、

「やろう」と思うときに活動する線条体という部分が作用して、快感と行動を結びつけて記憶します。

 そして、同じ状況に置かれますと、当時の快感がよみがえり「やろう」と思うのです。

 報酬や、やりたいことが提示されて快感を得ますと、中脳から線条体や前頭葉に向けて

ドーパミンが分泌されます。

これによって「やろう」という意識が起こるのです。

 ドーパミンは予想外の良いことが起こりますと多く分泌されますので、

特に豪華なご褒美や目新しいことですと、やる気がわきやすくなります。

逆に同じ目標や報酬が続きますと、脳が飽き、ドーパミンが出にくくなります。

 従いまして、低い報酬から始めた方が、やる気を維持しやすいと言えます。

<やる気スイッチを入れにくくする5つのNG例>

脳科学の視点でみた見た時の「やる気スイッチを入れにくくするNG例」を5つにまとめました。

①失敗を何度も繰り返す。

②やりたくなるのを待つ。

③できなかったときに罰を設ける。

④無闇にご褒美を設定する。

⑤睡眠不足で事に挑む。

・・・以上が、日々の留意点となります。

<まとめ>

やる気を出したのに、それが毎回失敗する。 

これを繰り返しますと、脳が頑張ることを無駄に感じてしまいますので、

目標は、手が届く範囲に設定しておくことです。

 また、成功した時の自分へのご褒美も、慣れてしまいますと効果が薄れることになりますので

注意しましょう。

基本的な捉え方と致しましては、行動によるご褒美と経験の刷り込み(過去の成功体験や喜び)が

「やる気」を生むということです。

 そのためには、日々、脳がしっかり働ける状態であることが重要ですので、

常に健康体であることを心がけましょう。