317[ 出来たことを振り返る ]◎劇的に成長する人は「失敗」ではなく「○○」を振り返る!

[ 出来たことを振り返る ]

◎劇的に成長する人は「失敗」ではなく「○○」を振り返る!

成長する人は「経験」から学んでいる。

これまで「振り返り」をサポートしてきた行動変容の専門家は、次のように結論付けておられます。

成長し続け、目標達成する人の共通点とは「できたこと」を振り返るということです。

その際、「反省」の危うさに要注意です。

<「反省」=「振り返り」は間違い>

セミナー受講生の一人にKさんという女性がいました。

彼女は念願だったフルマラソンに挑戦したそうです。

しかし、30kmを過ぎたあたりで足の痙攣が始まり残念ながらリタイアとなりました。

「あれだけ練習したのに、なぜ完走できなかったのか……」。

なんとかその原因を探り、次回に向けて再出発したかったKさん。

しかし、ひどく落ち込んでしまい結局、その意欲を失ってしまいました。

なぜKさんは、やる気を失ってしまったのか。

それは「反省」してしまったからです。

皆さんは、「振り返り」と言うと、どんなことを思い浮かべますか?

「なぜうまくできなかったのか?なぜ自分はこんなにできないのか?」と、

うまくいかなかった出来事ばかり考えるかもしれません。

とくに、「振り返り=問題を見つけて改善する」という意識が強いと、

悪いことばかりに目が行きがちです。

しかし、「振り返り=反省」ではありません。

反省とは、自分の失敗やダメな点に目を向け、それを改めようとすることです。

こうした失敗やできなかったことに無意識に目がいってしまうのが人間です。

思いどおりにいかなかったこと、うまくできなかったこと、恥をかいたこと、

注意されたことなど、私たちのまわりには、数えきれない失敗が生まれています。

しかし、「できなかったこと」ばかり見て悩んでいると、どんな気持ちになりますか?

「あぁ、どうしよう……」「自分なんてどうせ……」「もう、やめてしまおう……」

そんなふうに気持ちが落ちていきますよね。

いったんこうなると、どんどんネガティブになり、前向きに行動できません。

事実、脳科学の研究でも、人は悲観的な思考に引っ張られやすいとされています。

一度受けた恐怖(痛い目にあった、恥をかいた、怒られた)は、長期にわたって

人の思考に影響を及ぼし続けるのです。

成績が上がっているときはどんどん成長していくのに、成績が悪くなったとたん、

ドツボにハマッていく。

そんな経験をしたことがあるでしょう。

うまくいっていないとき、人は自分のことをネガティブに見がちです。

そのように自分を見続けるうちに、「自分には向いていないのかもしれない」

・「いっそのことやめてしまおう」という感情が芽生えてきます。

そして、成長が止まってしまうのです。

<「失敗」を糧に成長できるのは一部の人だけ>

「いやいや、自分のダメさ加減を知って追い込まれて『なにくそ!』と頑張ったときこそ、

人は成長できるのでは?」そう思った人もいるかもしれません。

たしかにそういう人もいます。

しかし、失敗から成長できるのはほんの一握りの人だけです。

「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」と語ったとされる

エジソンも「失敗」の有用性を述べていますが、エジソンはたぐいまれな達成意欲が

あったからこそ、失敗を糧にすることができたのです。

あなたは、エジソンのように何回も失敗しても、情熱を失うことなく前向きに反省し、

日々行動し続けられるでしょうか?よほどの努力の天才でない限り、不可能でしょう。

私たちは「エジソン」ではありません。

普通の人間なのです。

失敗すればやる気も失いますし、不安にもなります。

行動する意欲も減退しますし、時にはやめたくもなります。

「そんな……」と思うかもしれませんが、決して悲観することはありません。

ほぼ99パーセントの人は、それが当たり前です。

偉そうに言っている私だって、そのうちの一人。

失敗したら、やる気をなくしますし、実際に投げ出してしまうこともあります。

「振り返り」は、あなたの成長のために、あなたにとってプラスの変化をもたらすために

行うことです。

しかし「反省」は、ともすると、あなたを「成長できないアリ地獄」に

引きずり込んでしまうかもしれません。

「失敗」や「できなかったこと」を1人で悶々と考えてしまったら……。

やっぱり苦しくなってしまいます。

何かと言い訳してしまい、本音と向き合えない。

傷つかないように取り繕い、浅い思考になる。

本当にクリアすべき課題があっても見て見ぬふり。

誰かのアドバイスも素直に受け止められない。

そして、自分と正面から向き合うことができないまま、行動する意欲も奪われる。

こうした負のスパイラルに、どんどんハマっていきます。

まさに「アリ地獄」なのです。

では、どうするか? そのために大切なことは「できたこと」を見つめることです。

失敗やできなかったことは完全無視。

でも、「よし!できた!」と感じたことは必ずメモして振り返る。

これが成長に必要な方法です。